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保健医療学部

総合リハビリテーション診療所において、平成27年度第2回“健康フォ-ラム:知って得するカラダの秘密②~肩の痛み~”を開催しました。

 2015年7月14日(火)、関西福祉科学大学附属総合リハビリテ-ション診療所主催の柏原市民を対象とした“健康フォーラム”を開催しました。この健康フォーラムは、地域の皆様に転倒や腰痛、肩の痛み、認知症などを予防して健康に過ごすための考え方や、リハビリテーションの実際について助言(アドバイス)を行うことを目的としています。講義や実技を通して疾病への理解を深め、それらを予防・改善する工夫を生活の中に取り入れていただけるよう努めています。月1回、テーマを変えて開催しています。
 
 今回は33名の方に参加していただきました。
 はじめに当診療所の理学療法士柳田が肩の痛み、その中でも“肩こり”についての講義を行いました。肩こりで悩む人は多いことや肩こりの部位とそれに対応する筋肉(コリを起こす筋肉)、肩こりの原因などを説明しました。肩こりの原因となる動作の体験を通して肩こりの起こるメカニズムを実感していただきました。また、それらを予防・改善するための運動を紹介し体験していただきました。


 
 次に当診療所の作業療法士本田が肩の痛みの代表的な疾患である肩関節周囲炎についてその原因となる動作やそれらの動作を避けるための対処法について講義と実技を行いました。また、肩の痛みを予防する上で重要な筋肉である腱板の働きを促進する運動を紹介し、参加の皆様に体験していただきました。

 参加の皆様からは、「わかりやすく、役に立つ」という感想をいただきました。
 次回の健康フォーラムは、9月8日(火)13時30分~15時00分に「介護予防・生活習慣病予防のための“太極拳ゆったり体操”」を開催する予定です。

 以下は内容の詳細です。
■肩こり
 肩こりの原因は、大別すると医師の診察を受けることが必要な肩こり(種々の疾患により引き起こされる)とそれ以外の原因不明な肩こりがあります。原因が不明な肩こりは、姿勢の悪さ、過労や運動不足などから引き起こされるものと考えられています。そこで、姿勢を良くすることは肩こりを予防・改善する一助となると考えられます。姿勢が悪いと腕(3kgほどある)を吊り下げている肩の筋肉(肩甲骨を首や背中に引き寄せる筋肉)は強く緊張(過緊張)します。強く緊張した筋肉は硬直し、血液の循環を阻害しコリを引き起こします。姿勢が良いか悪いかは肩甲骨の位置からもわかります。肩甲骨の位置が良くなれば肩こりは改善すると言えます。肩甲骨の位置は骨盤や背骨の歪みによって変わります。従って体全体(全身)の姿勢が良くなる(歪みがなくなる)と肩甲骨の位置も良くなり、肩こりを予防・改善できると考えられます。
 また、強く緊張し血液の循環が阻害された肩の筋肉は、その線維やそれを包む筋膜が捻じれて縮みます。それによっても肩甲骨の位置が変わります。その場合、肩甲骨の位置を正常に戻すためには、その捻じれて縮んだ筋肉線維と筋膜をほぐし、伸ばすことが必要となります。伸張運動やテニスボールによるマッサージなどは簡便で効果のある方法です。肩たたきも良い叩き方(骨に振動を与えるようにして叩く)をすると効果があります。伸張運動はゆっくりと気持ちの良い程度に行う、テニスボールによるマッサージは痛みを伴うときには行わない、肩たたきは強く行わないなどに注意する必要があります。

 肩甲骨を正しい位置に整える運動として、しっかりと左右の坐骨で体重を支え、背骨を伸ばした状態で腕を前に上げ、そのままの状態で肩をすくめ下げる・前後に動かすという運動があります。
 家庭においても無理の無い範囲で実施していただけたらと思います。

■肩関節周囲炎
 肩関節周囲炎は40~50代に好発することから一般的に四十肩・五十肩とも呼ばれています。明らかな外傷なく生じ、疼痛と関節の拘縮(運動制限)を主徴候とし、痛みにより肩こりを引き起こす原因にもなります。腕を上げようとすると肩の骨と腕の骨がぶつかってしまい、骨同士の間にある滑液包(すべりを良くするもの)や腱板(4つの筋肉の腱が板状になったもの)などを挟み込んでしまい、痛めてしまうことがあります。それを避けるためには①肩甲骨が上を向くこと、②腕の骨が上に移動しないようにする筋肉(腱板を構成する4つの筋肉)を十分に働かせること、③外から腕を上げるときには腕を外にねじること、などが必要になります。腱板をうまく働かせる肩の痛みの予防運動として、腕を外に上げて肘を直角に曲げ、腕を前後に捻る運動があります。ただし、この運動は痛みが伴う場合には行わないで下さい。

最後に…
 肩の痛みは様々な原因が考えられます。今回はその中でもよく見られる一例を紹介しました。痛みの生じ方、部位、状況により必要な対処や運動は変わります。早めに整形外科を受診して必要な対処を知ることが大切です。肩は痛みの生じやすい部位です。無理な動き・過剰な負担は痛みにつながってしまいます。今回紹介した運動も含め、自身の身体の状況に合わせて行って下さい。

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