2025年12月7日(日)に開催された大阪府作業療法学会において、本学リハビリテーション学科作業療法学専攻の中原啓太助教による研究『高齢者の興味・関心におけるオキュペーショナル・プロファイル:潜在クラス分析を用いた尺度の構成概念妥当性検証』が最優秀賞を受賞しました。

研究では、介護保険を申請していない全国の高齢者771名を対象に、買い物や家事、趣味、ボランティアなど、日々どのような過ごし方をしているのかをインターネット調査で詳しく尋ねました。
その結果、生活スタイルは大きく四つのタイプに分かれることがわかりました。生涯現役で社会参加にも積極的なタイプ、家事はしっかりこなすが趣味が限られるタイプ、外出は多いが家庭内の役割が少ないタイプ、そして全体的に活動が少ないタイプです。
さらに、これらのタイプごとに心身の衰えや活動量を比べると、幅広く活動し社会とのつながりが多い人ほど健康状態が良く、活動が少ない人ほどフレイル(心身の衰え)のリスクが高い傾向が明らかになりました。
この研究は、高齢者の健康づくりでは「どれくらい動くか」だけでなく、「どんな活動を、どのようなバランスで行っているか」に目を向けることの重要性を示しています。
作業療法学専攻では、今回得られた知見を生かし、一人ひとりの生活スタイルに合わせたフレイル予防や支援方法の開発を進めていきます。